ご紹介で来院されたKさんは間もなく60歳。「仕事を3か月休んでいます。病院で処方された抗うつ剤と入眠薬を服用しています。食欲も無く背中がひどくつらいです」。うつ病は「セロトニン」が減ってしまう病気と考えられています。セロトニンはトリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質の一つで、ドーパミンやノルアドレナリンを制御し、精神を安定させます。セロトニンが不安定になると攻撃性が高まったり無気力で憂うつな状態に陥ったりします。不安感やストレス、睡眠不足、昼夜逆転の生活がセロトニン減少の原因と言われています。Kさんは神経の集中度が高いお仕事が忙し過ぎました。
触診をしますと頭皮は緩み、頚肩と背中は硬く腫れ上がり左右差があります。頭鍼のパルス療法と足の裏への熱いお灸をしました。頸肩から背中は遠赤とパルス鍼と柔らかく気持ちの良いお灸をしました。気持良さそうなホーっとした溜め息で背中が大きく動きました。「来月から仕事に復帰できます!」お日様を浴びて歩くことを忘れないでくださいね。うつ病と精神的悩みの身体の不調は全く異なります。向精神薬の過度の使用により悪化する場合を懸念しています。先ずは歩いて笑う習慣を身につけることです。