「先生、わたし前から卵巣嚢腫の経過観察しているんです。最近下腹部が痛むことがあって心配で・・・」。治療前の問診中に70代のEさんが不安顔で俯きました。卵巣嚢腫は卵巣に液体や半固体を含む袋(嚢)ができる病変の総称です。皮様、チョコレート、漿液性、粘液性などに識別されます。8割程は良性で経過観察となりますが、増大すると手術も検討されます。ホルモンの乱れや冷え、ストレス、自律神経の乱れによる循環不全などで卵巣嚢腫が増大して下腹部が鈍く痛む場合もあります。
自律神経を整えるために頸部の緊張を和らげ、不安やストレスで固まった腰背部の左右差を確認しながらツボを取り、卵巣や子宮への血行を促進するために八髎穴を使いました。鍼と光線療法に併せてお灸でしっかりと骨盤内腔を温めますと薄暗い肌の色がふんわりと赤みを帯びて明るくなりました。「なんだかお腹の中が温かくて気持ちいいです」。次の来院の時には「今週は一度もお腹が痛くなりませんでした。あのお灸をまたお願いします」。不安感の増大は病気を招きます。笑顔は免疫力を高めます。