飲食業の I さん67歳女性はご近所の方のご紹介でいらっしゃいました。4年前から首が下がり、上を向くのが辛くなって整形外科を何箇所も受診し、リハビリもしていました。首下がり症候群は、パーキンソン病・重症筋無力症・筋委縮性側索硬化症等の神経性筋疾患。甲状腺機能低下症等の内分泌疾患等が原因によるものもありますが、加齢による筋力低下の方が多く見られます。首が下がると視野が狭くなり、身体のバランスが崩れ、前傾姿勢が強まり、呼吸も浅くなり、内臓の働きも悪くなります。
I さんは20年前に胃癌、11年前に乳癌・先天性の股関節症の既往があります。頚部の胸鎖乳突筋にハッキリと左右差が認められます。肩甲骨周縁と背部・腰・股関節の治療もしました。「とても気持ちいいですね」「気持ちがいいということは、続ければ治るということです」。首のカラーを付けて固定をして時節柄冷やさないようにお願いをしました。痛みがなくなり、首の重さを支える筋力が戻ってきています。「早く来ればよかった」。よく仰られる、励みになるお言葉でした。