Tさん80歳女性はお友達のご紹介でいらっしゃいました。「急に胸がキューってなって息苦しくなるんです」。左肩痛と右股関節痛もあり、高血圧で20年前からお薬を飲んでいます。日常誰でも不安と恐怖を感じる時があります。不安は自律神経と深く関係をしています。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経はストレスや危険を感じると活動し、これが過剰になると不安感を引き起こします。用心深い迄の感情の働きはむしろ健康には必要です。
Tさんの頭皮は柔らかく、ふかふかしています。頭鍼と背中のストレス点を取り、お灸をしました。自律神経を調整するには調息法がとても効果的です。姿勢を正して、下腹部を凹ませながら、ゆっくりと息を吐きます。吐き終わると自然に鼻から空気が入ってきます。呼吸は、吸う時は交感神経、吐く時は副交感神経に支配されています。吐く時間を長くすることでリラックスを促進する副交感神経が優位になります。「調息法をすると落ち着けるようになってきたの」。表情が緩みました。調息法は呼吸の方法で、座禅・気功・ヨガにも共通した、心を平和にする知恵です。ゆっくり吐いた後1、2秒止めて下さい。自然とお腹に気持ち良く空気が入ってきます。