半年前からの治療に疑心暗鬼
『水泳でバタフライができなくて』。半年前から痛みが出て各種医療機関に行きましたが「右肩が上がらない」と82歳のMさんが来院されました。肩関節を大きく動かすクロールやバタフライを繰り返し、肩関節内部や周辺の腱板に疲労性の炎症や断裂が生じた状態でした。肩関節を構成する上腕骨と上腕二頭筋や、棘上筋と棘下筋などの腱板が衝突して擦れ合った状態を繰り返すことでダメージが重なり、腱板に炎症を起こします。また、肩関節内部の肩峰下滑液包や関節唇が傷ついて痛みを伴うこともあります。
肩関節の可動域、左右差、圧痛点などを念入りに確認し、パルス鍼療法と光線療法、吸角療法で肩甲帯全体と背部から腰、頚も治療しました。肩関節を動かすことで、膠着した筋腱に潤滑液が回ってゆるむ方法もお教えしました。初回の治療で腕が少し動くので驚いていました。5回目の後はバタフライができたと喜んでおられました。半年前からの痛みでしたので「治るでしょうか?」と疑心暗鬼でしたが、治療最後の言葉は「もっと早く来れば良かったわ」でした。