理学療法士と私達の共同作業
ご友人のご紹介で来院されたNさん(66歳女性)昨年11月、左下顎の悪性腫瘍を切除しました。その影響か、左上肢が上げられなくなりました。
手術や放射線、抗癌剤の治療によって多くの人が疲労感と運動能力の低下に悩んでおられます。そんなとき、リハビリで基本動作の回復と維持の運動が心身共に大変役立っています。自宅での肩甲骨体操やストレッチ、段階を踏んでの筋力トレーニングも必要です。
一方、私達は漢方の気血の流注を考え、頸から肩甲骨、上腕骨から手関節の周囲に至るまでのツボを使って鍼を打ち、パルス、吸角、お灸を用います。通常、五十肩のような場合は2,3回の治療で腕は上がります。Nさんの場合は手術によって筋繊維と神経、血管、脂肪組織、骨を切除していますので時間という名の治療も必要です。それでも、リハビリのおかげで一か月も経たないうちに左耳に付きそうな位に腕が上がるようになりました。ご本人は大変喜んでおりますが、もっと良くなります。継続は力なりです。