「左の頸から肩甲骨の痛みで眠れなくて救急外来に行きました。これまでも頸が動かなくなることが時々ありました」。Aさん(38歳男)は学生時代からバスケを続けています。頸は中枢神経と内臓や四肢末端に至る末梢神経を繋ぐ大切な役割を担っています。頸椎は7つの骨が関節して前弯を呈し柔軟に動きます。頸髄から分岐した神経が圧迫されると首筋から肩背部にかけて痛みや痺れが起きたり手に力が入らなくなったりします。椎骨の間には衝撃を吸収する椎間板があり、頸だけ上を向く姿勢を繰り返すと頸骨の後ろ側の椎間板が圧迫され痛めるリスクが高まります。
頸、肩甲部、腰に至るまで背骨を挟んだ左右の同一点に著しい硬結と熱感の相違が診られました。0.5ミリと言われる治療点を定めて鍼を置きパルス療法と光線療法、お灸を施し、治療後に頸の牽引もしました。うつ伏せの背中の呼吸の山が大きくなり、過緊張した筋肉が緩みます。起き上がると「おぉ・・・ラクだ!!」と驚きの表情です。”上を向いて歩こう♫”は過ぎると頸椎症と転倒の原因にもなります。