いわゆる「寝違え」を含む頸の筋肉や靭帯の急な炎症による痛みと運動制限症状のことを急性疼痛性頸部拘縮と言います。「朝から頸も肩も痛くて腕も動かせない」とKさんが訴えています。寝違えは睡眠中の無理な姿勢や頸の動かし方で頸の一部の筋肉に負担がかかり、阻血(そけつ=血液の供給不足)状態に陥り、炎症性疼痛が起こります。起床の際に痛みを感じるため睡眠中だけに原因があると考える方も多いかもしれませんが、日常の不良姿勢や疲労、ストレスの蓄積、身体の冷え、内臓の機能低下なども寝違えを誘発する要因です。
損傷部の阻血を改善するため、丁寧に触診をして圧痛点に細かくツボを取り、寄せ鍼吸角療法、光線療法で頸と肩甲骨をよく温め、置き鍼療法も用いました。「この間、狭い場所で頸を曲げたまま作業をしたなぁ」。治療後に起き上がっていただくと、「あ!頸が動く。すごい!」。頸の負担を軽減するためにカースルをして安静。2回の治療ですっかり取れました。簡単に治らない場合、その症状だけではなく、他の原因を解決することが大切です。