「寒すぎて全身が凍っているみたい。肩も痛いし膝も痛いし」(80代の女性Yさん)。木枯らし吹く中、頑張って来院されました。腕が上がりません。肩腕の検査を行い、痛む動作を確認しました。精緻な集中力を必要とする触診を行い、深さ1ミリ程度の皮内鍼を貼りました。「あら、痛くないわ!」
不思議なことに、同じ動作を行っても痛くありません。膝裏にも痛みがありました。寒さにより交感神経が亢進することで血管が収縮し、血液の循環が悪くなり、筋が硬縮します。関節周辺の硬直が滑液を阻害して、摩擦が生じ、放置すれば軟骨損傷や骨の変形に繋がることがあります。坐骨神経と股関節運動の為の股裂きに座禅のストレッチをしてもらいました。伸びやかさが有りません。筋の硬結部、付着部にも皮内鍼を使いました。侵襲刺激が感覚受容器に感知され、軸索反射が生じ、局所の血流が改善され、硬結が解けることで痛みが無くなります。電気的な反応なのです。治療して終わりではありません。毎日のストレッチが最も重要なのです。