「こちらでイボは取っていただけますか?」心配そうに来院されたSさんは45歳。指先にウイルス性のイボ(尋常性疣贅)複数できてしまい、皮膚科で液体窒素による凍結療法を行いました。マイナス196度で10秒から20秒もの間、イボとその周辺の凍結と融解を繰り返し、組織を破壊する治療法です。「冷たくてとても痛くて液体窒素ほもうやりたくないなぁ」。
過去の経験から直火のお灸に辿り着きました。お灸は直火焼灼灸を使用します。イボの上に米粒くらいの小さいお灸を据えます。イボの角質化してしまった部分にお灸を据えると黒くなります。その後、瘡蓋の様になり一週間もすると剥がれ落ちます。「先生、イボが取れたんです!」皮膚は4層ほどからなり、1週間ごとに新しい皮膚が生成され、約4週で完全に入れ替わります。深くにある場合は剥がれた後にお灸を繰り返し行います。周りの正常な皮膚への影響が少ない為、痛みと熱感が少なく感じます。「お灸をやってよかったわ」。一つの治療方法に拘らず、自分の身体に合う治療を見つけることが大切です。