「昨日の夜中から急に足が腫れてきて、痛くて痛くて歩けないの。来週から船旅なのに困ったわ」。Yさん(女性)は足を引きずりながら、やっとの思いで来院されました。齢89になり、腰も大分曲がってきました。4カ月前に旅行先で転倒し、左の腕を骨折しています。治癒はしましたが、手術、入院で筋力が衰えました。立位と歩行、正しい姿勢の維持が困難です。膝への負担が重なり、無菌性炎症が起こり、腫れあがりました。応急的に水を抜いても治療になりません。

 体液循環を良くして膝の水はけを良くするためには、腰から治療する必要があります。筋肉の衰えによる発症は、時間が経つに連れて段々と表れます。Yさんのように、特段何もしていないのに急に痛くなったと訴えます。Yさんは、膝だけでなく、同時に股関節と腰も治療すると、腫れも引いて普通に歩けるようになりました。高齢者の薬と入院、手術は特に身体の衰えを加速させます。本当に必要か否かを調べて慎重に判断しましょう。船には無事に乗れたようです。寿命を全うするには心を静め、運動をして少食に勤めることです。

 「何もしてなくても膝から下が焼けるように痛い」と70代のご婦人がやつれたお顔で来院されました。2年前に神経障害性疼痛と診断され、いろいろと治療されてきました。痛みは大きく分けて3タイプあります。①侵害受容性疼痛=痛みを感知するセンサーが発する痛み(所謂ケガの痛み)②神経性障害性疼痛=痛みを伝える神経自体が傷ついて発する痛み(神経痛)③痛覚変調性疼痛=脳内の神経回路に変化が生じて痛みに過敏になった状態です。ご婦人は、心臓バイパス手術のために足首から血管を取った時の手術痕に加え、糖尿病や、心臓のポンプ機能低下による循環障害もあります。乳癌、胆のう切除の既往歴もあり、ウツの状態でした。

 腰から足先にまで神経枝に沿い細かくパルス鍼を配し、足の指端穴のお灸、足裏の要穴に熱い台座灸、頭鍼パルス、ストレス点へと頭の先から足の先に至る治療をし、ビタミンCもお勧めしました。高齢者の多剤服用には注意をしましょう。「昨日は数年ぶりに足の焼けつく感じがありませんでした!」

 娘さんに手を引かれるように来院されたSさん(79歳男性)。就寝時、2時間毎にトイレに起きてしまい、尿漏れでお布団を汚すことが度々あります。「家族に迷惑をかけることがとにかく辛いんです」。悲しげに、深刻な表情で訴えておられました。3年前に発症したパーキンソンも含めてお薬を6種類も服用されています。気力が衰え、背骨が弯曲し、身体を傾けて歩いています。顔色は悪く、眼に力無く、髪と肌に艶がありません。心身共に極度にお疲れのご様子でした。長い間、お薬に願いを込めていました。

 パーキンソンには頭鍼パルス療法と指端穴の治療が効果的です。背部兪穴と四髎穴は欠かせません。手指の震えが無くなり、表情は明るくなり、笑顔も出てきました。今では曲がった背骨を矯正する牽引治療も行っています。背筋が伸び、椎骨が矯正されます。夜間のトイレも3回になり、おねしょも無くなりました。背筋を伸ばすと頭もシャキッとします。不思議ですね。パーキンソンの方は3人お見えになっています。説明の仕様のない効果が期待されます。頭鍼パルスは国立大学の研究室での臨床効果で有効性が新聞記事になっています。

 長年、膠原病の関節リウマチやシューグレン症候群と付き合ってきた79歳の女性Tさんが酸素吸入ボンベを引きずって来院されました。腰から足にかけての痛みが酷く、種々な治療をしてきました。関節リウマチによる側弯した背骨、左右のバランスを崩した股関節による腰痛や坐骨神経痛を発症しています。肋骨弓も歪んでいると同時に、リウマチ起因の肺動脈性高血圧の症状もあります。皮膚は青白く、指先の血中酸素飽和度は心もとない状況でした。脊際の筋肉の左右バランス、側弯部の膨隆、陥没、筋肉の硬縮などを観察触診して、細微に亘る取穴をしました。足の脛の坐骨神経枝への治療はもとより、頚、仙骨の自律神経叢にもパルス療法と光線療法を丁寧にいたしました。

 治療中は気持ち良さそうにされていました。治療を始めて一月後には血中酸素飽和度も改善され、皮膚の血色を取り戻してきました。「腰が楽になって旅行に行けるようになったの」。若い頃から明るく活動的なお人柄です。いつまでも動けるように懸命にお手伝いさせていただきます。

 

 「ご無沙汰しています、先生」と、国府台のIさん70歳女性がいらっしゃいました。GW頃から左の胸が痛くなり、医師から帯状疱疹と診断され、抗生物質と痛み止めを処方されました。ウイルスが悪さをしてピリピリ、チリチリと皮膚に痛みが起こり、赤い発疹が出て、痛みで寝られないほどになりました。加齢やストレスで免疫機能が低下すると発症し、約7割が50歳以上の方です。「奥の方がじわっと痛いんです」。左乳房に赤い発疹があります。

 側臥位と腹臥位を交互で、後頭部・大椎・腰眼と督脈を取り囲むようにパルスをし、遠赤外線で温めました。「温かくて気持ちがいいですね」「気持ちがいいということは、治る治療ということですよ」「年末に孫からコロナを頂いてしまって。身体が弱っていたのかしら」。コロナが原因で、帯状疱疹になる方が多くなりました。早目に治療をすれば酷くならずに、後遺症も残さずに治ります。2回も3回も帯状疱疹にかかる方もいます。おかしいと思ったらすぐにいらしてください。案ずるより産むが易しです。

 

 2年前に整形外科で胸鎖関節炎と診断されたMさん。鎮痛剤と副作用に対応する胃薬、湿布を処方され、薬が無くなると病院に行く日々を続けていました。15年前からの古い患者さんです。右肩の辛い痛みが胸にまで及ぶようになりました。胸鎖関節炎と診断され、亜脱臼を起こした後、固定せずに放置したため痛みが増したのです。上腕骨は胸骨と鎖骨と肩甲骨に、手がより自由に使えるように連動しています。そのため、背中から右肩鎖関節にまで痛みが広がりました。気持ちの良いパルス療法を長く行いました。治療後は痛みが無くなり驚いていました。肩鎖関節から胸鎖関節まで固定し、上肢帯が動かないように右腕を吊って安静をお願いしました。

 鎮痛剤の長期服用には気を付けましょう。効かなくなるばかりでなく、バイタルサインの衰えからウツにまで及びます。病院は今、大変な忙しさです。老人は多くなり、コロナのためにお医者さんはストレスで過労気味です。健康は自己管理が一番大切です。良く勉強して、ベストな医療を身につけましょう。 青山 記

 「先生、おばあちゃんが胸が痛いって言うの。連れて行きます」。お嫁さんから電話がありました。Oさんは昭和2年2月生まれの96歳の年女。先日、コロナ禍でできていなかったお誕生日会で、ご家族に囲まれながら祝ってもらったばかりです。当院には、抱きかかえられて来られました。朝、お嫁さんが部屋を見に行くと転倒して仰向けになっていたそうです。血圧を測定すると異常はなし。会話もしっかりとしていて、舌も正常に出ます。伏臥位になってもらうため四つん這いになるようお願いすると、「胸が痛い」と言って手を着けません。胸を注意深く触診していくと、胸鎖関節と胸骨に圧痛があります。痛みのある所に微鍼を貼ると、何とか伏臥位になれました。百会穴と湧泉穴に熱いお灸をし、安静をお願いしました。

 高齢者が寝込みますと、認知症と筋力低下が往々にして進みます。訪問看護のお医者さんは「痛みがなくなるまで休むしかないね」と仰っていましたが、痛みは少しずつ和らぎ、寝たきりにならずに済みました。「今年も桜が観られました」と喜んでおられました。 古川 記 

 2週間前から左の鼠径部が度々攣り、徐々に股関節や仙腸関節周辺の痛みが酷くなって脛にまで及んでいます。50代の女性Iさんは長時間のパソコン仕事が続いています。お孫さんが生まれ、日夜のお世話で睡眠不足。そしてご自身も自覚する運動不足で最近めっきり体重が増え、ここ10年余りで倍近くになってしまいました。

 仙腸関節は骨盤の骨(仙骨と腸骨)の関節で、周囲が靭帯で強固に連結されており3~5㍉程度動きます。日常動作に対応できるよう免震構造のように脊椎のバランスを取っています。中腰、不用意な動作、繰り返される耐えきれないほどの重い負荷で関節が炎症し、左右のお尻や股関節、鼠径部、腿、脛に痛みが発生します。仙腸関節障害は、椅子に長時間座れない、仰向けや痛い方を下にして寝られないことが特徴でもあります。治療肢位を変えながら鼠径部から臀部を囲むように置鍼するのがコツです。

 肥満と運動不足が原因です。肥満は食べないことが一番です。サプリもお薬もいりません。「ひ孫を見に来た両親と温泉に行くの!」

 痛みで身体が曲がり、まともに歩けない状態のAさん(66歳男性)は、整形外科で脊柱管狭窄症とヘルニア、腰椎すべり症の併発と診断を受け、医師から手術を勧められました。以前から通院しておられた奥様の勧めと、手術はしたくないという本人の希望で、MRIの写真を持参して来院されました。腰全体の強い痛みに右脚の痺れで15歩も歩けないような状態が"辛い″と訴えておられました。夜も眠れないことが度々で、鎮痛剤も効かなくなっていました。不調のデパートです。

 パルス療法、寄せ鍼吸角、温罨法をして差し上げました。気持ちの良いパルス治療は長めにしました。家ではストレッチを宿題にしてもらいました。「痛みが減ってきて寝られるようになった」「今日はタクシーではなく、電車で来られました」「普通に歩けるようになったよ。信じられない」。治療する度に痛みと痺れが減り、苦しみからの解放を実感しておられました。「家の近くのマッサージでゴキッとやられて、それから悪化したのかもしれないです」。

 

 平田のSさん(87歳、女性)が長女の方に支えられ、やっとの思いで来院されました。4~5日前から腰が痛くなり、整体院で指圧を何回か受けましたが、ますます痛みがひどくなりました。起き上がることが大変で、歩くのもやっとです。近くに住む三女の方が心配で整形外科に連れて行き、「骨に異常はないから、2週間様子を見て」と言われたそうです。

 高齢者が安静にして寝込んでしまうことは、時に命取りになります。Sさんには軽度の認知症もあります。右膝痛で、右足が痺れて力が入りません。腰椎を叩打法で触診しましたら、腰椎4番5番の間に激痛が見られ、ヘルニアが疑われます。腰椎椎間板ヘルニアは、椎骨と椎骨の間にあるクッションの役割をしている軟骨が飛び出して神経を圧迫する症状です。狭脊穴を取り寄せ鍼吸角をし、コルセットでガッチリ固定をしました。急性期は安静にしていただくことが大切です。指圧は禁物です。3回の治療で、ご主人との日課のお散歩ができるようになりました。

 

 

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