80歳のFさん女性。酷い強い頭痛と220の血圧で救急搬送されました。CT・血液検査・胸部レントゲンに異常は無く、降圧剤の投薬が始まりました。しかしその後も血圧は160前後と思うように下がらず、常に締め付けられるような頭痛、目の奥の重さ、頸肩の凝りと痛みで来院されました。顔色は黒くくすみ、脈は硬く張っています。触診すると後頭下筋、僧帽筋、肩甲拳筋に石のような硬結があります。頭皮は帽状腱膜の上でブヨブヨと浮腫み、指が沈みます。頸部交感神経の過緊張で血管が収縮し、静脈・リンパの戻りが滞ると、頭蓋内外の圧の逃げ場がなくなり、頭痛を招きます。特に後頭部から側頭部は柔らかくて皮膚が動かない方は、血流不足と水滞が重なっています。
風池、天柱、玉枕、百会、頸肩の圧痛点に加え、血圧調整の特攻穴である人迎を、刺激量を抑えて丁寧に鍼を置きます。置鍼、パルス、吸角で循環を促しました。「頭の皮が動く感じ。目まで明るいわ」。高血圧の頭痛は血圧管理と頸肩・頭皮の治療を両輪で考えることが肝要です。