アトピー性皮膚炎の8歳の女の子です。顔が赤く、瞼が赤く腫れ上がり、全身が引っ掻き傷だらけです。この炎症は、IgE抗体が痒みの原因であるヒスタミンを作るマスト細胞と抗原を結合させ、それらが集まった免疫複合体と呼ばれるものを体外に排泄する正常な反応です。ストレスによる交感神経亢進、甘味の過剰摂取等により血流が滞ると、免疫複合体が組織の局所に停滞し、炎症が起きます。1カ月ほどステロイドを使っていました。ステロイドは排出されにくい酸化コレステロールを生じ、それ自体が炎症の原因となって全身に難治性の炎症を生じさせます。無理に炎症を抑えることで、免疫複合体の排泄が阻害され、悪化します。
背部の軽擦と指端穴への鍉鍼で自律神経を整え、血流を改善すると皮膚の色が落ち着きます。次第に気持ちよく呼吸が深くなり、眠ってしまい、ご両親が起こしてもぐっすり寝込んでいました。顔の赤さと引っ搔き傷が綺麗になりました。痒くて眠れなかった夜も無くなりました。子供は自由にのびのびと育てましょう。大人の枠に押え込んではいけません。