「フラフラして、手も振るえるんだよね」。Mさん79歳男性はパーキンソン病と痛風でお薬を5種類もお飲みで、おまけにアルコール常飲者です。
舌を診させていただくと、ほんのわずかしか出せません。舌の働きは嚥下、呼吸と咀嚼、発声があります。特に呼吸は、舌が正しい位置にあるかどうかが大切です。舌の動きは舌下神経が司り、脳と直結しています。舌の支配神経は複雑で、前3分の2の知覚が下顎神経で味覚を顔面神経、後ろの3分の1の知覚が舌咽と迷走神経、味覚を舌咽神経と迷走神経が支配しています。舌が元気に出せるかどうかで脳の状態も分かります。舌質と舌苔からは、臓器の状態を推し測れます。パーキンソン病の患者さんは、唾を飲み込む回数が減り、唾液が溜まりやすくなっています。Mさんも唾が垂れそうです。皮膚が赤茶色をして、毛細血管の渋滞が臓器の疲弊を表しています。
ビタミンCをたくさん摂り、アルコールを控え、お薬も再検討をお願いしました。1回の治療で体幹の皮膚の赤みが取れましたが、禁酒には相当の意志力が必要です。