51歳の女性Tさんは問診中、肩や上腕を摘まむように頻繁に揉んでいます。3日前から右の頚から腕にかけてだるいようなシビレが・・・と不安顔です。姿勢をみると肩が前方内側に寄っています。所謂、巻き肩です。猫背と似ていますが、猫背は背部が縦方向に、巻き肩は肩が横方向に丸まるのが特徴です。スマホやPC操作、運転、料理、横向きで寝ることの多い方が巻き肩を好発します。
肩をすぼめて腕を前に出すと肩甲骨が外側に引っ張られて胸の筋肉が萎縮し、上腕骨が前方に回転するように引っ張られてしまいます。血流が悪くなり頚肩の凝りをはじめ酷くなると頭痛や眩暈、頚や胸の神経が圧迫され、胸や手が痺れたりします。胸背部の筋肉が硬くなるため胸郭が広がりにくく、呼吸障害から自律神経症状に及ぶこともあります。胸は本来より小さく垂れて見えます。
横臥位と伏臥位の治療を交互に行い、頚から肩甲帯、胸筋、腕全体を包み込むようにパルス鍼に遠赤治療とお灸をしました。「腕が軽い」とにっこり。寒い冬ですが颯爽と胸を張っていきましょう。