「ダメだぁ。眩暈がして耳鳴りも吐き気もして、もうフラフラだよ・・・」。奥様に抱えられるように来院されたSさん(78歳)の疲れきったお顔は青黒く生気がありませんでした。耳の奥にある耳石が身体の動きで有毛細胞を刺激して傾きや位置情報を伝えます。前庭神経と三半規管が司る平衡感覚の異常が眩暈を引き起こします。
メニエールなのか頭位性なのかの鑑別も大切です。バイタルサインを確認してから治療しました。耳前三穴、翳風等の完骨周りのツボに頭鍼、ストレス点、足裏の熱いお灸をしました。硬く強張っていた背中から「ふうう~。」と大きな安堵のため息が出ました。「最近ウチのかみさんの健康診断の結果が悪くて夫婦で落ち込んでしまってね・・・」とお悩みのご様子でした。不安感はストレスを高めて活性酸素を増大して自律神経を失調させます。
治療が大変効いたようです。ご機嫌良く「明日はアイスと肉まん、両方持ってきてやるな」。治療後の生気を取り戻した顔色と眼光に私も安堵しました。季節の変わり目には昼夜の着衣にお気をつけください。昔の人の腹巻きとカイロを参考にしましょう。ホカロンは使い方で投薬以上の効果を期待出来ます。