やさしい息子さんに支えられたFさん82歳女性は、身体を引きずるようにしてベッドに横たわりました。「右足に力が入らないんです」。パーキンソン病にすべり症・高血圧症・不整脈。入院して自己免疫疾患の検査も受けましたが「問題ない」とのこと。整形外科でMRI検査を3回も受けましたが、狭窄等はありませんでした。お薬は9種類も頂いています。多剤服用には気を付けましょう。
触診をすると仙腸関節に圧痛があり、「そこが痛いんです」。寄せ鍼と吸角をしました。補瀉の原則に従って補術を施しました。お薬を最小限にし、運動するようにお願いしました。起き上がるのもやっとのことでしたが、少しずつ足に力が入るようになりました。
寝たきりではフレイルが進行します。「痛いから動かない」「動かないから筋力が低下する」の悪循環です。「我が家は狭小3階建てなの。お尻を着きながら1階に降りていたのに、立って降りられたの」。高齢者の皆様、少しずつ少しずつでも歩いてください。高齢者はなるべく他人の手をわずらわすことなく自立しましょう。日本も自立しているか疑わしいですね。