「腰が痛い」とKさん(67)が奥様に抱えられて来院されました。病院では腰椎が潰れていると言われました。パーキンソン病との闘病生活は8年になります。パーキンソン病は、神経伝達物質のドーパミンを放出する中脳黒質の神経細胞が変性するため、身体を自由に動かせなくなります。筋肉の硬縮症状が起きて猫背や前傾姿勢になりやすく、頚肩から背中・腰の負担が過大になります。14種類ものお薬を飲んでいらっしゃいますので、臓器疲弊が背部兪穴に認められます。背部全体が硬結しています。パーキンソン病には頭鍼パルス療法が効果的との臨床結果が報告されています。両脊際から腰背部全体の左右の筋肉の虚実を整える治療をして、丁寧に温罨法を施しました。
「これ見て!」鞄の中から1冊のアルバムを取り出し、輝く笑顔で仲間たちと写る青春の日々を懐かしそうに見せてくださいました。お元気で、ご長寿でありますようにと、ひたすらにただただ汗を流して治療をさせていただきました。本年も精進致します。よろしくお願い申し上げます。