「橈骨神経麻痺です。三週間は懸かります。」と言われました。肘を枕にして寝てしまいました。起きてびっくり手首が動きません。血管を圧迫して長時間経っていますので阻血性の硬縮を起こしてしまったのです。これでは仕事が出来ません。「上を向いて寝ていただけますか?」両方の指で首を掬うようにして左右の差を触診します。次に上腕部から前腕部にかけて、更にうつ伏せに寝ていただき、上背部を同じように触診して左右の違いを探します。内にあるものは総て外に現れます。外ある疾患は内臓に影響しています。表皮の硬軟、凹凸、冷熱、滑渋、色の差、は治療点として「ここを治療して下さい。」と言わんばかりに呼んでいます。この作業が医療側の私達に最も大切なことなのです。どんな高度な検査機で「何でもありません。」と診断されても症状として「それでも苦しいんですよね。」と訴える方はどうすればよいのでしょう。「痛み止めを出して置きましょう。」「神経が疲れているんです。安定剤を出しておきましょう。」電気をかけて手首だけをマッサージしても自然治癒を待つだけで医療としての治癒の促進にはなりません。下手をしますと治らない非可逆性の麻痺にしてしまいます。既に三日経ってから転医されてきています。お父さんに「行って来い。」と言われたので来られたそうです。汗をかきましたが手品のように手首を一回で動かすことが出来ました。私達が無上の喜びとする醍醐味です。転居されるそうですがリハビリはご自分ですることです、他人を頼ってはなりません。もう大丈夫です。